【解説】オーストラリアのラグビー人気について

2019年に開催されたラグビーW杯日本大会での同国代表の躍進は記憶に新しいところ。

皆さんが目にしたのはユニオン(15人制)だったことはご存知でしょうか?
ルールや使用するボール、スタジアムの規格が異なるラグビー・フットボールが存在します。

今回のブームでファンになった皆さん、ユニオン(15人制)だけがラグビーではありません。

オーストラリアのラグビー事情

*写真は、2015年に開催されたタッチラグビーのW杯

ラグビーは15人制だけではない!

日本で「ラグビー」と言えば、ユニオン(15人制)や2020年東京五輪の種目だったセブンス(7人制)を思い浮かべる方が多いでしょう。オーストラリアでは大きく分けて以下の6種類が人気

 

・AFL(オーストラリアン フットボール /オージールール):18人制

接触:フルコンタクト

フィールド:楕円形のクリケット場に4本の柱を対照に計8本立てて実施

試合時間:1クォーター20分、4クォーター計80分。2クォーター後にハーフタイム

得点:真ん中の柱の2本の間にボールを蹴り込むと6点。ただしキック以外だと1点となり、キックでゴールラインを越えても、他の選手に当たっていれば1点です。端の柱と真ん中の柱の間にボールを通すか、真ん中の柱自体にボールを当てた場合はキック以外でも1点となり、端の柱に当たった場合はボールがフィールド外に出たと見なされます。オウンゴールはどこのポールに通しても1点が相手チームに与えられます。

概要:オーストラリア・メルボルンが起源のオージールールは、もともとはクリケット選手のオフシーズンのトレーニングに考案されました。ラグビーに似てはいますが、ボールを投げることが禁止され、15m進むごとにボールをバウンドする必要があり、肩上や膝下へのタックルも認められません。豪州では国民的人気があり、優勝決定戦では10万人の観客を集めることも。2022年シーズンから日本のシャイニングアークスでプレーすることになった元ワラビーズのイズラエル・フォラウ選手もAFLでのプレー経験があります。

 

・Rugby League(ラグビーリーグ):13人制

身体接触:フルコンタクト

フィールド:長方形の競技場にH型の柱を対照に立てて実施

試合時間:40分ハーフの計80分。間にハーフタイムがある

得点:ボールを相手インゴールに置くとトライで4点。トライ後のコンバージョンキックは2点、相手の反則(ペナルティ)地点からのキックは2点、ドロップキック(ボールを1バウンドさせて蹴る)は1点。キックは全てHポールの横棒の上と縦棒の間を通過することで得点と見なされます。

概要:ラグビーリーグはアマチュア精神が強かったユニオンと対立し、プロフェッショナル化を目的として設立されました。豪州代表・カンガルーズは世界最強との呼び声が高く、同国のナショナルラグビーリーグ(NRL)は観客動員数と視聴率が世界最高。ユニオンで重視されるスクラムやラインアウトのセットプレー、ラックやモールなど密集部分へのプレー負担はルールにより管理、排除され、攻撃権を6フェーズまでと制限することで、より多くの衝突とキックによる攻撃が生まれます。スピーディーでエキサイティングなゲーム展開が魅力。

 

・UNION(ユニオン):15人制

身体接触:フルコンタクト

フィールド:長方形の競技場にH型の柱を対象に立てて行う

試合時間:40分ハーフの計80分。間にハーフタイムがある

得点:ボールを相手インゴールにおくとトライとなり、5点。トライ後のコンバージョンキックは2点、相手の反則(ペナルティ)地点からのキックは3点、ドロップキック(ボールを1バウンドさせて蹴る)は3点で、キックは全てHポールの横棒の上と縦棒の間を通過することで得点とみなされる。

概要:2019年に日本でも開催されたW杯は、世界ではこのユニオンと呼ばれる15人制です。オーストラリアではゴールドジャージーで有名なワラビーズ、隣国ニュージーランドではハカでお馴染みのオールブラックスが日本でも多く知られているかと思います。近年世界でプロ化が進んでおり、アメリカではMLR(メジャーリーグラグビー)が創設されたりと世界中でプロ化とともにレベルが上がっております。ユニオンのW杯は、世界3大大会の1つとされておりサッカーW杯、夏季オリンピックの次に観客動員数の多いスポーツ大会です。横に大きい人や背が高い人、小さいけど速い人、手先が器用な人・・・等、多くの身体的特徴を持つプレーヤーが協力してゲームを作るのがユニオンの魅力です。

 

・SEVENS(セブンス):7人制

身体接触:フルコンタクト

フィールド:長方形の競技場にH型の柱を対象に立てて行う

試合時間:40分ハーフの計80分。間にハーフタイムがある

得点:基本的に得点はユニオンと一緒です。トライ後のコンバージョンはドロップキックで狙います。

概要:2020年の東京オリンピックでも開催されるセブンスは、ユニオンと同じフィールドの広さで1チーム7人でプレーします。香港セブンスやドバイセブンス、ラスベガス、ウェリントン、、、等、多くの世界大会があります。日本代表は2016年リオデジャネイロオリンピックで4位に入賞し、あの強豪ニュージーランドを破りました。ユニオンと同じグランドの広さで、1チーム7人でゲームを行うため、より速く走れる人がセブンスを競技します。

 

・OZ TAG(オージータグ)

身体接触:ノーコンタクト

フィールド:長方形の競技場を使う

試合時間:10分ハーフの計20分。間にハーフタイムがある

得点:トライ1点

概要:オーストラリアで発祥し、老若男女に人気なオージータグは1チーム8人でプレーします。男女混合で対戦する試合や大会もあり、性別・年齢問わず楽しむことができます。タグラグビーと同じでベルトで腰の左右にタグをつけ、タグを相手選手に取られるとタックル成立となり、アタックは6回タグが取られるまで攻撃権を与えられます。オーストラリアではラグビーリーグのノーコンタクトラグビーといわれており、ラグビーリーグと同じく、キックを有効活用できるオリジナルのルールがあります。

 

・Touch Rugby(タッチラグビー)

身体接触:ノーコンタクト

フィールド:長方形の競技場を使う

試合時間:20分ハーフの計40分。間にハーフタイムがある

得点:トライ1点

概要:ユニオンのウォーミングアップでタッチラグビーをしていたことがルーツだといわれております。1チーム6人でプレーし、相手にタッチされるとタックル成立と見なされ、それを6回タッチされるまで攻撃できます。スピーディな試合展開が魅力で、ハイレベルなW杯も存在します。

 

【強すぎ!】ラグビー大国オーストラリア・ワラビーズの過去の戦績

このようにオーストラリアでは、多くのラグビーの種類が存在します。そんな異なったラグビーからラグビーへの競技移籍もよくあります。AFLからユニオン、リーグからユニオンに移籍するプレーヤーもいたり、違うラグビーの種類から競技移籍するということがよくあります。

かつてオールブラックスでプレーしたソニービルウィリアムズ選手も、オールブラックス選出前ラグビーリーグをオーストラリアでプレーしており、代表を引退したあとはカナダのラグビーリーグのチームでプレーしました。

そんな多くのラグビー・フットボール文化が強く根付いており、国民がフットボールを愛する国の代表は実績ももちろんあり、ユニオン(15人制)のオーストラリア代表・通称ワラビーズは、W杯通算2度の優勝と2度の準優勝の実績を誇る紛れのない世界の強豪国です。

数々のスター選手を輩出したことはもちろんですが、かつて日本代表の監督を務め、現在イングランド代表の監督を務めるエディジョーンズ氏はオーストラリア出身であり、選手のみならず、数々の名コーチが存在することもオーストラリアラグビーが強い理由のひとつです。

 

ラグビー大国・オーストラリアが留学にオススメ

オーストラリアでラグビー留学をお勧めする理由は、選択肢の多さというところがあります。

クエイド・クーパー、ウィル・ゲニア、デービット・ポーコック、ジョージ・スミス、ジョージ・グレーガン、アダム・アシュリー・クーパー・・・等、日本でも活躍した世界的有名選手、また同国のW杯での戦績を見れば高いレベルのラグビーがここオーストラリアにあることがわかります。

しかし、この国のラグビー・フットボールの種類の多さと、国民のそれに対する熱意は、競技の母体を大きくし、選択肢を増やします。

要するに、レベルが高いラグビークラブだけではなく、オージータグ・タッチラグビーのような老若男女が楽しめるラグビークラブもあれば、これからステップアップをしたい方に適したレベルのクラブ等、多くの選択肢がオーストラリアのラグビー留学にはあります。

自分の目的・レベル・目標にあったラグビーをプレーするために、まずは現地のラグビー事情に詳しい、オーストラリアラグビー留学ワールドのスタッフにご相談ください。

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この記事を書いた人


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Nobu

(株)ディンゴ所属   10歳からラグビーをはじめ、各ユース世代においてトップの実績と経験を誇る。 オーストラリアを始め、イングランド・ニュージーランドといった数多くの海外ラグビー遠征・留学を経験してきた。大学卒業後の2年間、社会人ラグビーを経験し、夢を追いかけるため退社・退団。その後、ウェリントンライオンズアカデミーにてラグビーアスリート教育を受け、夢であった念願のプロラグビー選手に。2019年現役引退後、スポーツエージェント・マネジメントを生業とし、自身の知識と経験を活かした新しいラグビー・スポーツ留学プログラムを世に提供している。
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